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『かえし』という縁の下の大きな力持ち 京都 瓢斗 四条烏丸店
私は10年近く割烹や料亭と呼ばれる所で修行を重ねてきましたが、
mihakuに入社してから初めて耳にした言葉があります。
それは「かえし」です。
初めて耳にしたときは何のことかと思いました。
「かえし」とは簡単に言うと
醤油にみりんや砂糖を加え、しばらく寝かせることによって醬油の角が取れ、
味が熟成されることをいいます。
これは蕎麦屋やラーメン屋でよく使われている技法であり、
私が経験してきた懐石の場では全く使ったことのない調理法でした。
当店ではサラシの巻いた備長炭を調味料の中に沈めて、余分な香りを削ぎ落とし、
炭に含まれるミネラルを放出させることでより美味しい「かえし」を作ることができます。
次に料理の命となる出汁について説明します。
一番出汁とは…
お椀や繊細な焚き物に使用する際に昆布からしっかり旨味を抽出し、
10秒~15秒濾したかつおを合わせたほとんど色のついていない繊細なお出汁のことをいいます。
二番出汁とは…
一番出汁をとった後の昆布とかつおにもう一度水を加え、
ゴトゴトと優しく沸騰させながら出汁をとり、
御飯出汁や少し濃いめの味付けに使うお出汁のことをいいます。
当店の特製のつけ出汁はお肉やお野菜を直接つけて召し上がっていただくお出汁ですので、
二番出汁の要領でしっかりと旨味を抽出します。
一番出汁を引いた後の出がらしではなく、
新しい状態の昆布・かつお・煮干しから2時間以上二番出汁の要領で引いているため
相当旨味の濃いお出汁ができ上がります。
このお出汁で「かえし」を絶妙な割合で割っていきます。
使用している調味料は至ってシンプルなものですが、
最低14日間「かえし」として熟成させているので、
お肉やお野菜、おネギとの相性が抜群の特製つけ出汁ができ上がります。
西洋料理のように時間と手間をかけて複雑なソースを作ることも素晴らしいですが、
私が日本料理で素晴らしいと思う点は、
すごくシンプルな素材を自然の力で最大限に旨味を引き出すというところです。
ぬか漬けや味噌漬けなどの発酵食品もその一例です。
体に良いという先人からの教えを大切に守っていき、
後世に伝えていくことも私たち料理人の使命だと思っております。
是非、皆様にもこの本場の味のお出汁を召し上がっていただきたいです。
ご来店お待ちしております。
京都 瓢斗 四条烏丸店 近藤
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