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社長ブログ
飲食店の離職率を下げるケーススタディその1
「仕事ができる人材から、頼んでもないが悪くない提案を受けた場合」
日本全体が人材不足と言われる中、飲食は就職不人気ランキングのNO1…
ブラック業界なんて残念な言われ方までする始末。
新卒の3年後の離職率は五〇パーセント…かなり高い水準です。
どれだけ頑張って売上を上げても、求人費用として出て行ってしまえば、元も子もありません。
少しでも離職率を下げたいものです。
飲食は人が非常に重要な経営のファクターになっています。
人材のモチベーションも気になるところです。
だから、仕事ができる人材から業務に対する提案を受けた時、本来その提案はやるべき事案ではなかったとしても、やっても良いという判断をする上司がいます。
例えば、仕事ができる社員から、飲み放題の時間を120分から90分にして、値下げをしたらどうか?という提案を受けたとします。
悪くないような気がして、すぐにやろうと思っていなかったが、日頃仕事ができる社員だったし、モチベーションを下げたくないので、許可します。
こういった部下からの提案については、2点残念なところがあります。
【1つ目の残念】
部下が提案した内容について、部下が評価者であるような感覚になってしまう人が非常に多いです。
前述の例の場合、「値下げをしたので、お客様は増えたが、客単価が下がりました。2年ほどすれば、もっとお客様が増えるので、利益が出ると思います。今は我慢ですね!」
結果売上は減少していますが、こんな言い訳を言われてしまう事が多くあります。
評価者は上司なので、必ず、期間の設定をし、どの程度の効果が出れば、誰の評価になるのか?を明示しなければなりません。
上司としては、評価を2ヶ月後にしなければいけないとすると、この提案での結果は現状0。
もしくはマイナスです。
提案者は2年後に期間を勝手に設定し、自分はお店にとって良い提案をしているので、評価されると思っていたら…
おそらく2ヶ月後の評価では、提案の評価は入れられないので、不満になります。
もう一つよくある事例を明記します。
料理を部下に提案させるという事をさせます。
こちらも非常にバランスが難しい事を頭に入れておいてください。
料理人のモチベーションを上げたいので、各自が料理を提案して、それがお店の料理になったら、やる気が上がり、離職しないのではないか?と考えるのです。
しかしながら、自分の料理にはそれなりの自信がある人がよくいます。
評価者は誰なのか?をよく理解していない人が残念ながら料理人には多いのです。
料理がお店にあわなかった。単純に美味しくなかった。とすると採用できません。
そうなると、上司は自分の料理をわかっていない。何をやっても反対される。などの不満が募り、離職につながります。
評価するのは、誰なのか?をしっかりわかっている状態でのみ成立します。
そして、評価の基準もしっかりしていなければ、「えこひいき」だと思われてしまいます。料理の提案はもろ刃の剣(本当に良いものである時も存在します!)だと思ってください。
私は試食の際、誰の意見も聞かないようにしていますし、意見させないようにしています。
よく、「アルバイトに食べさせたらみんな美味しいって言ってました!」とか「さっき同僚にも食べさせたら、これはすごいって話で盛り上がりました!」なんて話をする料理人までいます。
これを採用しなかったら、アルバイト・同僚までの不満を買う事につながります!!!
こういう料理人は一番要注意です!!!!みんなを引き連れて辞めかねません!!
料理を提案させる際は、他のスタッフへの試食は控えるように言った方が良いです。
【2つ目の残念】
もう一つは上司が部下の評価者である事を放棄してしまうことです。
上司は部下が離職して欲しくないため、厳しい評価をしたくない傾向になっている場合があります。
提案をして、「だめ」と言うと離職するのであれば、部下の思い通りにさせた方が良いと、評価者という仕事を放棄している状態です。
このまま放置すると、結局どこかで、部下が暴走します。評価しない上司を無視し、今度は上司がストレスで離職!なんてこともあり得ます!!!
どうでしたか?
実は私は実際この経験をしてきました。だから、現在は提案があった場合は基本的には受けません。
その代わり、提案をする場を設け、提案者の行動に対し、上司が管理できる状態にしています。
初めのうちは、今までルールなしで提案をしていた人は、「自分のやりたいことが出来ない」と離職してしまいました。
そもそもお店はお客様に対して存在します。
スタッフの自己実現はその次でないと、お客様はいらっしゃいません。
そういう社員は離職したものの、その結果みんながルールを守り、組織が固まり、離職が減り、お客様目線のお店が出来、スタッフの給与が上がり、モチベーションが上がる。という好循環を生み出せていると思います。
これからますます人手不足になると言われています。
ぜひ参考にしていただき、共に業界を人気のある魅力的な業界にしたいですね!!
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